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2024年2月28日

筋トレの効果を最大化するにはどれくらいインターバルを取るべき?

筋トレの効果を最大化するためには、食事や睡眠、トレーニング種目、セット数・レップ数など様々な要素を考慮する必要があります。

セット間のインターバル(休息時間)は、最も重要な要素の一つですが、意外と見落とされがちです。

今回は、筋トレ時のインターバルに焦点を当て、筋トレの効果を最大化するためにはインターバルをどの程度取れば良いのかについて解説していきます。

長いインターバルと短いインターバル、どちらが良い?それぞれのメリットデメリット

長いインターバルと短いインターバル、どちらが良い?それぞれのメリットデメリット

大量の汗、より体を大きく見せるパンプアップ、このような筋トレ後の満足感のために、インターバルの時間をできるだけ短くしてトレーニングに取り組んでいる方は少なくありません。

また一方で、筋トレ時にすべてのセット間で十分に時間を取り、汗もあまりかかない程度にインターバルを取る方もいます。

一体、どちらが筋肉の成長のために良いのでしょうか?まずは、それぞれの長所と短所を見ていきましょう。

短い休息時間(〜1.5分以下)の場合

1分以下の短いインターバルの方が効果的とされる主な理由は、代謝ストレスの増加や筋肉が感じる「燃える」感覚に集約されていると考えられています。

※代謝ストレス

グルコースやアミノ酸など、細胞が生存・増殖するために必要な栄養素が不足することでひき起こされるストレス。

代謝ストレスは、ニューヨーク州立大学ブラッド・シェーンフェルド博士の2010年のメタ分析で筋肉成長の主な要因の1つであることが示されています。

したがって、より長いインターバルよりも短いインターバルで、より代謝ストレスを増加させる方が望ましいと言えます。

参考:Dr. Brad Schoenfeld’s 2010 meta analysis

すでに答えが出たように思えますが、まだ早計かもしれません。

長い休息時間のケース(~3分以上)の場合

短いインターバルにはそれなりのデメリットが伴うということも知っておくと良いかもしれません。

普段から筋トレを行っている方はすでに感じたことがあるかもしれませんが、短いインターバルでは、長いインターバルの後と比べて、重い重量を持ち上げたり、レップ数を増やすことが難しくなってきます。

つまり、各セットのインターバルを長くすることで、より重い重量を持ち上げたり、レップ数をより増加させることができるので、一回のワークアウトのトータルで見た時により多くの負荷をかけることができるのです。

このように、

  • 長いインターバルを取ってより大きい重量、より多いレップ数で筋トレを行う
  • 短いインターバルで代謝ストレスを増加させる

この2つの選択肢の間でどちらを優先させるかが論点となっているのです。

どっちが良いの?研究論文からインターバルについてさらに深堀

どっちが良いの?研究論文からインターバルについてさらに深堀

それでは短いインターバルと長いインターバル、どちらが良いのかを探るために研究論文を用いてさらに深堀してみます。

インターバルについての研究結果

先ほどの代謝ストレスについて紹介したときにも登場した、ニューヨーク州立大学ブラッド・シェーンフェルド博士は、まさに「インターバルの時間は短い方が良いのか、長い方が良いのか」という疑問への答えともなりうる研究結果を発表しました。

参考:Longer Interset Rest Periods Enhance Muscle Strength and Hypertrophy in Resistance-Trained Men.

ブラッド・シェーンフェルド博士の研究では、レジスタンストレーニングを受けた21人の若い男性を、以下2つのグループにランダムで振り分けました。

①セット間に1分間のインターバルを設定したレジスタンストレーニングプログラムを実行したグループ

②セット間に3分間のインターバルを設定してレジスタンストレーニングプログラムを実行したグループ

※レジスタンストレーニング

筋肉に抵抗(= resistance)負荷をかけるトレーニングの総称。筋トレ=レジスタンストレーニングで、バーベルやダンベル、マシンを使用したものから、プッシュアップ、クランチなどの自重で行うトレーニングも含まれます。

さて結果はどうなったのでしょうか?

8週間後、②セット間に3分間のインターバルを設定したレジスタンストレーニングプログラムを実行したグループ は、①のグループと比較してより筋肉の成長と筋力の向上が見られました。

これは、当記事前半部分でも紹介したように、インターバルが長いグループの方がセット間の休息効果が大きくなり、トレーニング中の総運動量を多くすることができたためと考えられます。

このことから、トレーニングの総量が代謝ストレスよりも筋肉の成長に重要であることが証明されました。

ちなみに理論的には、短いインターバルでよりセット数を増やせば、長いインターバルを取った時と同じ総量の負荷をかけることは可能です。しかし、これは一般的には楽しいと感じるトレーニングの範囲を超えますし、一回のトレーニング時間もより長くなってしまう可能性が高いでしょう。

これらの理由から、インターバルの時間は長く取った方が良い可能性が高いと言えます。

正確にはどのくらいの時間インターバルを取る必要があるのか?

正確にはどのくらいの時間インターバルを取る必要があるのか?

ここまでの解説で、インターバルは長く取った方が良いことはお分かりいただけたかと思います。それでは、正確にはどのくらいの時間インターバルを取るべきなのでしょうか?

これは、主にみなさんが行っているトレーニングの種目によって変わってきます。

例えば、2016年のJournal of Strength and Conditioning Research誌に掲載された研究では、様々なトレーニング種目におけるインターバルの効果を調査しています。

研究では、単関節運動(チェストフライなど)においては、約2分間の休息で十分であるのに対し、複合運動(ベンチプレスなど)では最低でも3分間の休息が最も効果的であることを発見しました。

この結果は先に述べたブラッド・シェーンフェルド博士の研究と一致しています。

ベンチプレス、オーバーヘッドプレス、スクワットなどの複合運動では、セット間に少なくとも3分間の休息時間を確保するのがベストでしょう。

参考:Effect of Different Interset Rest Intervals on Performance of Single and Multijoint Exercises With Near-Maximal Loads

また、低レップ数(3~5レップなど)で高重量を扱う場合には、休息時間を3分以上に増やすのが理想的かもしれません。

4~5分のインターバルを取って行うのが筋力向上を最適化するためには最良の選択肢となります。

一方、アイソレーションエクササイズ(一つの筋肉のみにターゲットを絞って行うエクササイズ)や他の負荷の少ない運動では、セット間のインターバルを2分程度(または十分に筋肉が休息を感じ、呼吸が落ち着いたと感じた場合は少し短く)にするのがベストな選択となります。

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まとめ

今回は、筋トレ時におけるセット間の適切なインターバル時間について、アメリカの研究論文を用いて解説しました。

インターバルは短い方が良いのか、長い方が良いのかお悩みだった方の参考になれば幸いです。

ぜひ今回の内容をみなさんが普段を行っているトレーニングの中にも組み込んでみてくださいね。